- 4月ともなると、日の長さは大分長くなったと感じますが、依然肌寒い日が続きます。
- そんな時はいっそのこと暖かい所へ出掛けたい…と思ってしまいますが、例年とは違い、新型コロナウィルス感染症の影響から、日本と諸外国との行き来が難しいのが実情です。
少しずつ状況が改善される事を願いながらも、今回は国内、それも東京都の一部でありながら亜熱帯という「小笠原諸島」についてご紹介したいと思います。
- 「亜熱帯」というと、一般的に熱帯と温帯の間の地域で、おおむね経度20°~30°辺りに相当します。
- 四季を通じて温暖湿潤で、年間平均気温は23℃前後、日本国内で言えば沖縄県が最も知られています。
- そんな亜熱帯地域が東京都にも在る、というとにわかには信じられないかも知れませんが、23区から遠く1,000kmほど太平洋を南下した先、「東京都小笠原村(父島)」は、まさにそんな気候にあるのです。
- その広大な太平洋に抱かれて連なる小笠原諸島は、2011年(平成23年)月に世界自然遺産に登録されました。
- 小笠原諸島は大小30あまりの島々からなる海洋島で、小笠原諸島の玄関口である「父島」は、沖縄本島とほぼ同じ北緯27°に位置しています。
- 一般の都民は「父島」と「母島」の2島だけに居住しており、父島からさらに250km南下したところには硫黄島(自衛隊員駐屯)、さらに南下すると南鳥島など、いくつもの島が点在しています。
- 小笠原諸島が誕生して以来、大陸と一度も陸続きになったことが無いため、独特な進化を遂げた動植物や大自然に満ちています。
- その特別な地域性のため、小笠原諸島の固有種は植物の36%、昆虫類の28%、陸産貝類の94%も占めており、まさに生き物達の楽園です。
- となれば、世界自然遺産である「小笠原諸島」の観光は、自然とのふれあいが一番でしょう。
- 専門のガイドと共に、亜熱帯の森や山で動植物を観察しながらのトレッキングを満喫してみてはいかがでしょうか?
また小笠原諸島では、様々な海のアクティビティも楽しむ事が出来ます。ダイビング、シュノーケリング、フィッシング、シーカヤックなど満載です。
- 中でもお薦めは「ホエールウォッチング」。
- 小笠原諸島のホエールウォッチングの代表ともいえるザトウクジラは、12月中旬から4月下旬頃までの今頃がベストシーズンです。
- 海面近くを泳ぐ様子や、海面を尾びれで叩いたりする様子が観察できます。
- また、5月頃から11月頃はマッコウクジラを見る事が出来ます。
また離島であるがゆえに、夜は貴重な満点の星空を眺める事も出来ます。
- また小笠原を訪ねる際は、貴重な自然環境を維持し、世界遺産を創生まで引き継いでいくために、本来いない生き物を持ち込まない様にご注意下さい。
- 船に乗る際は靴に着いた泥を落とす、自然環境を守るためにガイドの指示に従うなど、決められたルールを守りましょう。
- また島内はキャンプ禁止です。必ず宿泊施設をご利用ください。
- あわせて、現在 緊急事態宣言期間中に小笠原諸島を訪れる際には、新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、必ずPCR検査を受け、検体受領証もしくは発送伝票の控えをご持参下さい。
- また、小笠原諸島には病院・医療体制も本島に比べてごくわずかですので、ウィルスを持ち込まないよう、マスク着用や三密を避けることを心がけて頂くようご協力をお願い致します。
- ちなみに、小笠原諸島には空港が無いため、交通手段としては概ね週1便の定期船・おがさわら丸を利用します。
- 東京の竹芝桟橋を11時に出港して、父島の二見港には翌日の11時に到着。
- 実に丸々1日間の船旅となります。
- 当然、復路も同じ時間をかけて竹芝桟橋に戻る事になります。
- 旅行の計画を立てる時には、余裕を持った日程をご検討頂くとともに、普段味わえないゆったりした船旅もお楽しみください。
●写真提供:小笠原村観光局